みにくいあひるの恋
- 作者: 日日日,みことあけみ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/08/21
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
■ ストーリー
『恋愛』は病である。
男女が恋に落ちると、そのとき脳内で発生するドーパミンなどの化学物質が異常な反応を示し、体中の細胞を崩壊させる。
ウイルスか。細菌か。遺伝子の異常なのか。誰にも理解できないままその病は猛烈に蔓延し、予防や治療の方法も発見されないまま、世界中に死と苦痛をまきちらした。
人間は、恋をすると、死ぬようになったのである。
――そして医学は敗北し、『恋愛』は病名となった。
これは、そんな世界で必死に恋愛を肯定し否定しようとする少年少女たちの『恋愛』の物語。
■ 一応
ネタバレ&酷評かもしれません。
気になる方だけ続きをどうぞ。
■ うん
これまた面白そうな設定でどういう展開がなされるのか私の想像の域を超えていたので買ってみたのですが、残念ながら私は満足できなかったようです。
簡単に私と合わなかったと言えばそれまでなのですが・・・・・・ただある一点だけが気に入らなかっただけです。
■ 別に
『恋愛』すると死んでしまうという設定が気に入らなかったわけではないです。むしろその部分が面白そうだと思ったのですから。
では何が気に入らなかったのかと言うと、それはこの作品の『恋愛』の部分の中の一つの設定。
そして兄妹の間には恋愛感情が発生しない――。
まさにここです。
・・・・・・別に私は兄妹間の恋愛感情に肯定的というわけでも否定的というわけでもありません。ぶっちゃけると自分が関与していなければ、同性愛だろうと許容します。
では何が理解しかねるというと先の文章の次の所に書いてあることです。
それもまた、『常識』であった。
兄妹の恋愛は禁断の行為であり、あってはならないことであり、すなわち幻覚であり、つまり社会的/法律的には『存在しないもの』として扱われるのだ。
あくまで法律上の、机上の空論の、言い訳でしかないが。
それは大義名分となった。
死に至る病の対象から逃れるために、『恋愛が発生するはずがない』という『兄妹』で結婚することが、『常識』となってしまった。
私的にはツッコミどころ満載です。
こんなクダラナイことが常識?
特に大義名分のための机上の空論の言い訳だけでその病が発動しないとか意味不明すぎます。
『恋愛』がその程度の論理で『恋愛』でなくなるなんて有り得ない。
禁断だろうが兄妹だからという理由で『恋愛』にならないはずがないのです。
こんなクダラナイ理由で死ななくなるなら、養子縁組を組むだけで全てが解決するんじゃないですかね。
なにせ、『兄妹の間には恋愛感情が発生しない』のですから。
これこそ、まさに『お笑い種』としか言いようがないと思います。
■ この設定のせいで
『恋愛関係』ではなく、『恋愛』のために色々悩む人間が滑稽に見えてしまうんですよね。
金城あひるが命を賭して白鳥陀衣と恋愛をしているはずの光景が、法律上の関係だけで命を賭ける必要がなくなるのですよ。
まさに、愚かな行動としか言いようがないと思わざるを得ません。
本当にクダラナイ。
■ というわけで
評価としては星1つ。
う〜ん残念だなぁ。これなら普通の恋愛話の方がマシだと思います。