僕は友達が少ない

僕は友達が少ない (MF文庫J)

僕は友達が少ない (MF文庫J)

 面白い。面白いのに・・・・・・

■ ストーリー
 本人は何も悪くないのに自然と学校で浮いた存在となっている羽瀬川小鷹は見事に友達がいなかった。

 そんなある日、彼は忘れ物を取りに教室に近づくと楽しそうな声が聞こえてきた。

 それは頭も良く美人でありながら、他の人と関わろうとしない三日月夜空が楽しげに話している声だ。

 しかし・・・・・・小鷹がいくら目を凝らしても、夜空の話し相手はおらず、携帯電話すら手に持っていなかった。

 彼女は別に幽霊が見える特別な人間・・・・・・でもなんでもなく、彼女は虚しくもエア友達と話をしているだけだったらしい。

 ・・・・・・・・・・・・・とまあ、なんとも切ない邂逅を経て、(色んな意味で)寂しい彼らは一つのクラブを立ち上げることになる。

 それは『隣人部』という、友達を作るためのクラブをだった。

■ なんとまあ
 一長一短の激しい作品だなぁと思った今日この頃。

 具体的にいいますと・・・・・・

■ 長所的なところ
 話の内容とキャラは凄く好きです。

 理不尽なまでに周りに流されていく小鷹。

 理不尽なまでに周りを流していく夜空。

 どう見てもただの我儘お嬢様な柏崎星奈

 見た目はどうみても女の子だが中身は一応男の子の楠木幸村

 邪気眼一直線に見えてそうでもない小鷹の妹羽瀬川小鳩

 見た目も中身も理科系少女である志熊理科

 見た目は幼女、実際にも幼女なシスターで先生でもある高山マリア

 とまあ個性的な面々が友達を作るために色々な努力をするんですが、それがまともそうに見えてそうでもないという所が非常にいいですね。

 隣人部の勧誘ポスターに非常に無意味な細工をしたり、仲良く連携を取るゲームをすれば見事に足を引っ張り合い、人との関係を知るために恋愛シュミレーションゲームをすればゲーム内の女の子に難癖を付けたりと、お前ら本当にやる気あるのかと疑いたくなるその光景は見ていて笑いが止まりませんでしたね。

■ 短所的なところ
 それだけに、物語の造りの物足りなさと構成が残念でしたね。

 特に、冒頭の回想部分を除いて理科とマリアがほとんど活躍しなかったことは非常に残念でした。

 せっかくカラーページに登場しているのだから、もっと物語中にも登場してくれていいのに。

 物語の終わりも非常に唐突でしたので、こりゃあもう逆の意味で驚くしかなかったです。

■ きっと
 きちんと全員が登場すれば、評価も見方もきっと変わったと思うので次巻に期待したいところ。

 この流れと勢いを次も維持できるかどうか期待です。

■ 評価としては
 期待を込めて星3.5です。

 こんな作品は生徒会の一存以来かもしれませんね。