BLACK BLOOD BROTHERS(3) 特区震撼

■ ストーリー
 10年のときを経てついに牙を剥いた九龍の血統《クーロン・チャイルド》。

 ジローの古い知り合いで九龍に染まったカサンドラ・ジル・ウォーロックの存在は彼の心を奈落の底へと追いやることになる。

 特区に隠された真実とは? 特区の存在意義とは?

 第1部完結編。

■ ついに
 過去の亡霊でしかし現在まで潰えることのなかった九龍の血統が牙を剥く。

 彼らはありとあらゆる手段を用い、特区を混乱に陥れる。

 彼らがリスクを犯してまで特区に侵入した理由とは。

■ そして
 香港聖戦以来の大事件の勃発に特区は混乱の極みに陥った。

 募る焦燥、そして九龍の血統の感染拡大は抑えきれず拡大するばかり。

 そしてジローは血族の弟を心配して探し回るも、なんとその弟から共感を拒絶されてしまう。

 前代未聞の事態は特区を侵食してゆく――

■ しかし
 今まで培ってきたものは無駄ではありません。

 カンパニーはその真価を発揮し始めます。彼らは持てる力を全てを使い、特区を守ります。

 ちなみにここでの尾根崎さんのかっこよさは異常。

 最初見たときヤクザのように見えたのは秘密です。

■ さらには
 東の龍王であるセイが封印を解放して真の力を解放し、ゼルマンも自分の居場所を守るために動き始めます。

 全ての思考が特区を守ることに繋がったと感じたときの感覚は何ともいえませんね。

■ そして
 ジローとミミコも自分の本音をぶつけて対立することになります。

 黒き血は言います。

 「生意気な人間め」

 吸血鬼は言った。

 「たかが十数年を生きただけの小娘が、古血に意見するか」

 赤き血は応じます。

 「青臭い吸血鬼」

 少女は答えた。

 「その百年間、あなたは何をしてきたの?」

 黒き血と赤き血がぶつかり合うことで得られるものは?

■ 評価としては
 星5つ。燃え上がる満足のいく作品でした。