クリスナーガ
- 作者: 小林三六九,ポコ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/05/10
- メディア: 文庫
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■ ストーリー
気付けば暗闇の中にいた。
空気はひんやり湿っていて、少し肌寒く、なぜこのような場所にいるのかわからなかった。
すると突然ピシッという不吉な音と共に崩れ去り、瓦礫が降り注いでくるのを必死で避けることになった。
さらには、わけのわからない怪物が襲ってくるし火の玉も飛び交うという不思議な状況が展開されており、よくはわからなかったが、どうやら女の子が怪物を魔法みたいなもので牽制しているらしい。
何も出来ずに隠れていた所に、一冊の本が落ちてきた。
それは黒い装丁の古臭い本でタイトルもなかった。
するとその本の黒い表紙にいきなり文字が光って浮かんだ。
《闇夜の幻世》と記されたその本のページが勝手に捲れ出し、あるページで止まってまた文字が輝き浮かびまるで読めといわんばかり明滅した。
まるで誘われるように言葉がこぼれる。
「イソラ・・・・・・ルル・・・・・・ヴァルス?」
そう呟いた瞬間不思議なことが起きた。
全身を黒ずくめの装束で覆い、病的なまでに白い肌を持つ灰色の長髪を持った少女が現れたのだ。
この世界『クリスナーガ』で、名もなき少年《クロム》と伝説の戦乙女と呼ばれた魔女《イヴ》が邂逅し新たな物語を紡ぎ始める・・・・・・
■ ええと
私が今まで積み重ねてきたファンタジー感が悪いのかもしれませんが、一般的なファンタジー像にこの作品は埋もれている気がします。
別にこの物語が悪いわけではないのですが、ガツンとした強い何かを感じないのが残念です。
何か特異な一味がないと物足りなくなってきました。
広義的に見る『ファンタジーの典型』であるものの題材の難しさが伺えます。
■ 特に
キャラクターが想像の域を超えないのがなんとももどかしい。
もちろん、今までにないキャラクターを作るのは大変ことだとはわかっていますが、この物語はキャラクターが引っ張っているのではなく物語に引きずられている感じがします。
物語に引きずられたと感じた時点で先の展開が読みやすくなってしまい、なかなかどうして純粋に物語を楽しむことが難しくなるのです。
最近読んだub7637さんのエントリの『ライトノベルに必要なのは、もっと沢山のランキングなんだよ』の追記部分を見ていただくとキャラクターの重要性について考えさせられると思います。
・・・・・・私だけですかね。
■ あとはまあ
クロムの後半の自虐っぷりが何とも酷い気がしました。
・・・・・・あえて説明はしません。見ればわかります。
■ 評価としては
星2つ。・・・あれ全然いいところを説明していない・・・・・・。システィーナとイヴの本音をぶつけ合うシーンだけは良かったという記憶しか残っていない。
う〜ん・・・・・・辛口になってきている自分に自己嫌悪しそうです。