放課後トゥーランドット

放課後トゥーランドット (一迅社文庫)

放課後トゥーランドット (一迅社文庫)

■ ストーリー
 姫ノ咲楼蘭が帰ってくる――

 始業式に幼稚園の頃のマドンナである姫ノ咲楼蘭がドイツから音科市に帰ってくることを悪友の川瀬剛に教えられた篠山千尋は素直に喜んだ。

 別に幼稚園の頃に仲が良かったわけでもない。正直な所彼女が僕を覚えていることもないだろうと千尋は思っていた。

 しかし、男と言う生き物は浪漫を夢想する存在であり、何かしらのハプニングを起きないか楽しみにしていた。

 単純に昔可愛かった彼女がどれだけ美しく育ったのかも楽しみにしていた。

 そんな折、唐突に鋭い声が聞こえた。

 「――貴方、やる気がないのなら、生徒会長なんてさっさとやめてしまいなさいっ!」

 声の方を向くと、講堂の袖を見てみれば見目麗しい少女がいた。

 青みがかった長い銀髪をさらりと後ろに流し、抜けるような美しい白い肌を持ち、瞳は炎を閉じ込めたような不思議な赤色をしていた。

 確かに彼女は美しく成長したようだが、果たしてその中身は・・・・・・

 トゥーランドットをモチーフに描く学園物語は今幕を開けた。

■ なんて書いてみたんですが
 なんというか確かにトゥーランドットをなぞってはいるんですが、なんていうか・・・・・・完全に扱い切れていない感じがしました。

 使い安い便利な所だけうまいこと使っているような、そんな感じがどうしてもするんです。

 特定作品をモチーフにするといったことは良くあるとは思うんですが、『文学少女』や『ロミオの災難』と比べるとどうしても見劣りしてしまうんです。

 う〜ん、比較対象があるからそう思うのかもしれませんねぇ。

■ あとは
 姫ノ咲楼蘭人間性がどうしても捉えきれないのです。

 わからないんじゃなくて、捉えきれない。

 その場その場での人間性は理解できるんですが、一貫性が無いように感じてしまうのです。

 それが、作品の完成度として観点から見ると、どうしようもなく行き当たりばったりな感じがするのです。

 それ以外の登場人物が普通に見えるだけにどうしても彼女の存在が浮いてしまい、物語にちゃんと参加しているようで傍目から見て参加しているようなそんな感じが拭い切れません。

■ それにしても
 ゲーム音楽が演奏できる吹奏楽っていいですねぇ!!!

 私のところは結構そういう関係のものが不評なので羨ましい限りです。

 一回でいいから、ファイナルファンタジーメドレーとか吹いてみたいものです。

 ・・・・・・はっ、作品に全く関係の無いことを口走ってしまった。

 ふう、誰にも見られなかったようだ。セフセフ。

■ 評価としては
 星2つ。う〜ん、ちぐはぐな感じが直れば普通の作品なのですが・・・・・・

 次に期待しましょう。