命を賭けた演奏会

■ 昨日
 演奏会本番を迎えたのですが、今までの演奏会で恐らく一番命がけでした。

 その日朝から体調が悪かったのですが、お昼ごろになると全身に寒気が走り、楽器を吹くための姿勢の維持すら困難でした。

 ついにもう限界だと感じた私は自主的に倒れることにしました。このとき程周りの皆に申し訳なかったと思ったことはありませんでした。

 それでリハーサルの時間を使って眠らせてもらおうと横になったのですが、そこでも地獄は続きました。

 体はどんなに重ね着しても寒く、逆に顔はどんどん熱くなって顔が燃え上がるようでした。そのせいで多分1時間も寝られなかったです。

 結局本番直前に起きたのですが、ほんのちょこっとしか体調が回復せずなんと足元はフラフラで喉も痛くて頭もガンガン痛かったのですが、なんとか根性を出して演奏会に臨むことになりました。

 正直なところ、体調がベストとは全然言えないこの体では全力の50%も出せていなかったと思います。

 しょうもないところを間違えたり、喉を閉められなくて高い音が出せなかったり強い音が吹けなかったりしました。

 それでも私が演奏会を休まなかったのは、吹奏楽において一人欠けることの重要性がわかっていたからです。

 私のところは少人数編成バンドなのですが、少人数であればあるほどなお影響が大きいと言えます。

 なぜなら一人欠けた時点で、その楽団としての自分たちの聴かせたい音が亡くなるからです。

 音が一つ消えるだけで音のバランスが崩れ、和音も出来ません。

 あるステージでは、トロンボーンが私一人になる瞬間があったので、私がいなくなるとトロンボーンの音が完全になくなってしまうのです。

 というわけで、リアル命がけで全3部ステージを頑張ってこなしました。

 終わった瞬間、もう私は本当の本当に限界でした。もうまともに動くことも出来ませんでした。

 演奏会を見に来てくださった親切なOBさんに車で家に送ってもらわなければ、帰宅途中の道端で倒れてたと思います。

 そして、家に帰ってそのまま病院に直行したんですがそこで驚愕の事実が発覚します。

 なんと私、


 インフルエンザ


 に罹患していたのです。

 それで体温を測ったのですがなんと、


 40.1℃


 でした。いやいや40℃超えるとか普通に死んじゃいます。

 よくこんな状態で演奏できた自分を褒めてあげたいぐらいでした。

 何はともあれ、演奏会を無事に終えられてよかったです。