蒼月のイリス(2)

蒼月のイリス2 (MF文庫J)

蒼月のイリス2 (MF文庫J)

■ ストーリー
 "一色"にもっとも近いとされた一色の息子である新堂遊馬を破った桐生慎太郎に次なる戦いが待ち構えていた。

 次の相手は『白稜の王』と呼ばれる鳳大樹

 しかし、それ以外に不穏な気配が慎太郎の元に近づいてきていた。

■ なんだろう
 今回になって随分と良い所が出てきて、なかなか良いなぁと言いたい所だったんですが、何と言うか色んな所で勿体無いことをしてる気がします。

 っていうか相変わらず登場人物が少ないな・・・・・・

■ 良い点を挙げるなら
 前回で疑問に思っていたところが色々解消されたのがまず良かったですね。

 っていうか前回に説明入れてくれても良かったのにと何度思ったやら。

 慎太郎の力である《停眼》や香澄の《匂いで人の思考を読む》といった力の存在理由が示されましたし、《世界の半分》と呼ばれる人間も出てきてくれて、ようやく世界が広がりを見せた気がします。

 こういうのが前回にちょこっとでも出てきてくれてたなら、この物語に入り込み易いかなあと思いました。

■ ただ
 なんというか・・・・・・展開が露骨過ぎる。

 作者の意図が見えるにも程があるでしょう、これは。

 ・・・・・・やっぱり、登場人物に(というか物語に)魂が入っていないという感じがぬぐえませんね。

■ それは多分
 カラーページにある登場人物紹介以外の人物がほっとんど出てこないからだと思います。

 結構当たり前のことを言っているように見えますが、私が言いたいのは物語を想像するにあたって、登場人物以外の人が見えてこないのです。

 それはまるで舞台の劇を見ているような感覚です。必要最低限の人物で物語が何事もなく進んでいる光景。

 世間一般に出てくる『その他の名も無き人たち』がいないんです。居る光景を想像できないんです。

 その光景がどうしようもなく・・・・・・寂しい。

 何言ってんだコイツと思うかもしれませんが、どうしようもなくそう思うのです。

■ それゆえに
 世界の広がりを感じられない。

 《世界の半分》が出てきたとはいえ、それでも狭い。

 実際の所、世界の半分どころか世界の千分の一もないように感じるのです。

■ あと
 今回一色になるまでの道筋が示されるのですが、やっぱり一色目指してる人少なすぎでしょう。

 それが世界を狭めている最大要因だと思われます。

 もっと沢山いた方が絶対面白いと思うんですが・・・・・・

■ 今回
 イリスは前回と変わらず可愛かったですが、今回は香澄も頑張ってます。

 この2人の活躍がこの物語を読むモチベーションを唯一保たせる要因ですね。

 イリス可愛いよイリス。香澄可愛いよ香澄。

■ というわけで
 星2.5にしようかと思いましたが、イリスと香澄が頑張ったので星3つ。

 とは言ってもイリスや香澄だけがいくら頑張ってもやっぱり限界がありますね。

 頑張れ物語。