私が考える、小説のページ数と値段の関係。

■ これは
 がれさんのところにコメントを書いていて、面白そうだなと思って書き始めたのがそもそもの始まりでした。

 行き当たりばったりで書いていたこのネタが意外と色々と考えさせられる結果となったので考察にしました。

 ちなみにこれは電撃文庫の例なので他のレーベルではどうなっているかはわかりません。でも多分どのレーベルでも程度の差はあれど似たような結果が出ると思います(多分)。

■ 小説のページ数と値段の関係
 当然のことですが、ページ数が増えれば値段が高くのなるのは言うまでもないと思います。

 ではページ数の多い本を買うと、その本は『本当に』高いのか?

 否、そんなことはありません。

 何故そう言えるのか? 次のページ数と値段の関係を見てもらえばわかると思います。

 例に挙げるのは境界線上のホライゾン終わりのクロニクルです。

 パッと見ただけでもなんとなくわかる人もいますかね。

 実は値段/ページ数(以下小数点が出る計算は全て小数第3位を四捨五入)という計算を行なうと、

 となり、1ページあたりの値段は、ページ数が増えれば増えるほど下がっていくことがわかります。

 消費税を入れるほど、値段が高ければ高いほどさらに差が広がっていきます。

 しかし、ページ数>値段となることは恐らく有りません。なので限界はあると思います。←(でも追加考察で否定されちゃいました)

■ ちなみに
 電撃文庫過去最厚の終わりのクロニクルの最終巻を見てみると。

 これを計算すると、

 見ればわかりますが、境界線上のホライゾン2(上)より比率が高いことがわかります。

 これを見ると私の説が間違っている気がします。

 しかし、電撃文庫は過去に比べると少し値段が安くなってます(多分)。

 それは境界線上のホライゾン1(上)と終わりのクロニクル4(上)のページ数と値段を比較するとわかるのですが、

 見てわかる通りページ数が40ページ近くホライゾンの方が多いにも関わらず値段はホライゾンの方が安いです。

 次に境界線上のホライゾン1(上)と値段が同じである終わりのクロニクル2(下)と比率を比較して見ましょう。

 なんと0.2近くも比率が違います。 こう見ると昔の作品の方が値段/ページ数の比率が高いことがわかります。

 税抜・税込どちらでも値はほぼ変わりませんが、税込の方を使って値段/ページ数の比率の比較をすると、

 となります。つまり、単純に考えると昔に比べて今は1割近く値段が安くなっていることを示しています。

 今の値段基準で行くなら終わりのクロニクル2(下)は、787×0.89≒700円で買える事になります。

 ところが、終わりのクロニクル6(下)は770円という値段ながらページ数が611ページもあります。これを同じ値段の終わりのクロニクル4(上)と比率を比べてみると、

 なんという比率詐欺。ページ数の差が100以上あるので当然と言えば当然なのですが、770円下限と770円上限の差がありすぎです。多分ここら辺で値段が変わったのかもしれませんが、2段階で変わったものとして続きを考えます。

 ここで境界線上のホライゾン1(下)と終わりのクロニクル6(下)を比べてみると、比率は違いますが税込−税抜の比率差は同じです。

 このことから、境界線上のホライゾン1(下)と終わりのクロニクル6(下)の基準はほぼ同じと言えます。

 さらに境界線上のホライゾン1(下)と境界線上のホライゾン2(上)の税込の比率差が0.11であることから、昔の値段で境界線上のホライゾン2(上)と同じ比率差のものを考えると、

 と予想できます。(1.18が一番望ましい値だったのですが・・・・・・)

 もしそうであるならば、終わりのクロニクル7の税込の比率が1.14であったとしても決して間違いではないと言えるのではないでしょうか。

 よって、この考え方は(多分)間違いないと思います。

 行き当たりばったりで作ったので、様々な視点から値段を考察しているわけでもなく、資料集めとかも正直適当なので、どこかに穴があってもおかしくはないので、おかしいと思ったところがあれば遠慮なくツッコミをどうぞ。

■ というわけで
 長々と書きましたが如何でしたでしょうか?

 とにかく、ページ数の多い作品で損をするわけではないということが何となくでもわかっていただければ幸いです。

 今更わかりやすい例を書くと、電波女と青春男(1+2巻)と境界線上のホライゾン2(上)の値段を比べれば一目瞭然。

 この通りです。それぞれの作品の比率計算をするとより顕著になりますが面倒くさいので割愛。

 ちなみに何故このようになるかというと、それは小説の最低基準の値段設定が高めだからだと思われます。

 よって、薄い作品を沢山買っていくほうが、ぶ厚い作品を買っていくより高いということがわかると思います。

■ 追加考察
 ub7637さんが教えて下さった京極堂シリーズを利用して更なる検証を行ないます。

 何を検証したかというと、京極堂シリーズでは一つの作品がかなり厚いので、読み安いように一つの作品を上中下などに分冊して販売しているものがあるのです。

 そこで、その作品を単巻で買った場合と、分冊で買った場合でどのくらい値段や比率に差があるのか調べてみました。

 さあ検証・・・・・・と言いたかったんですが、何かもう数字を見ただけで結果がわかるので、比率計算の必要すら感じなくなる結果になっちゃいました。

 というわけで、京極堂シリーズ・狂骨の夢を見てみましょう。

  • 最初から全部まとまっているヤツ ページ数:982 値段(税抜):971円 値段(税込):1019
    • 三部に分けているうちの上 ページ数:335 値段(税抜):590円 値段(税込):619円
    • 三部に分けているうちの中 ページ数:354 値段(税抜):590円 値段(税込):619円
    • 三部に分けているうちの下 ページ数:304 値段(税抜):552円 値段(税込):579円
  • 分けているものを合計したもの ページ数:993 値段(税抜):1732円 値段(税込):1817

 ・・・・・・差がありすぎですね。ページ数の合計が合わないのはあとがきが入っているからです。ちなみに比率計算をすると、

  • 最初から全部まとまっているヤツ 税抜:971/982≒0.99 税込:1019/982≒1.04
    • 三部に分けているうちの上 税抜:590/335≒1.76 税込:619/335≒1.85
    • 三部に分けているうちの中 税抜:590/354≒1.67 税込:619/354≒1.75
    • 三部に分けているうちの下 税抜:552/304≒1.82 税込:579/304≒1.90
  • 分けているものを合計したもの 税抜:1732/993≒1.74 税込:1817/993≒1.83

 ついに、割れないと思っていた1を下回る数字が出てきましたね。ビックリです。

 というわけで、どうやら私の説を後押ししてくれる結果となったようです。

■ さらに追加考察
 境界線上のホライゾン2(下)が発売されたので、改めて私の考察が正しいのか見てみます。

 というわけで、境界線上のホライゾン2(下)のデータを見てみましょう。

  • 基本データ          ページ数:1153 値段(税抜):1190円 値段(税込):1249円
  • 値段/ページ数の比率   税抜:1190/1153≒1.03 税込:1249/1153≒1.08

 これを元データと並べて検証して見ましょう。まずは基本データのページ数と値段です。

 次に値段/ページ数の比率を見てみましょう。

 バッチリ予測通りの結果となりました。見事に比率は下がり続けてますね。

 もしこれ以上のページ数の作品が出たならば、ライトノベルでも比率が1を下回ることがあるかもしれませんね。

 ・・・・・・まあ、そんな作品がほいほい出たら困るんですけどね。