BLACK BLOOD BROTHERS(10) 銀刀出陣

■ ストーリー
 時を少しさかのぼって、1997年香港。

 アリスの血に導かれて訪れたこの場所で大きな変革が起きようとしていた。

 まだ、誰も気付かない。

 そして、今という時代も終局に向けて進みつつあった。

■ ついに
 明かされる香港時代。

 仲のよかった4人組に何があったのかが明かされます。

 《ウォーカーマン》の暗躍。時代の脈動を見据えるアダム・王。

 何より、彼女と全く同じ気配の血族が現れ、カーサの心を乱してゆきます。

 彼らと触れ合ううちに彼女は辛い決断をすることになります。

 彼女が下した決断とは。

■ そして現代
 ミミコの呼びかけ、そして世界的吸血鬼会議によって、ついに時流は人間と吸血鬼の共存へと進み始めます。

 シンガポールに世界各国から有力血族が駆けつけ、カンパニー側は一気に活気付きます。

 しかし、まだ《彼》は戻ってきていません。

 ミミコが一番戻ってきてほしいと願うただ一振りの刀が。

■ そんな折
 特区奪還の準備が着々と進む中、香港で不穏な動きがあります。

 何故か、吸血鬼が香港に集まりつつあったのです。

 血の導きと信じてきた彼らは、術中に嵌っていることに気付くことができませんでした。

 まさか、それが九龍の血統の作戦だとは。

■ 真打登場
 術中に嵌った彼らは、アダム・王の力によって九龍化させられそうになります。

 誰も抵抗できずに諦めかけたそのとき、アダムの力を断ち切るものが現れます。

 以前とは完全に別人と化した望月ジローです。やっときた。

 そして彼は華々しく九龍王に宣戦布告します。

 「九龍王

 「――我ら『賢者イヴ』の血族は、現時点を持って、『九龍の血統』に宣戦する」

 いいとこ取りにも程が。しかしかっこいい。

■ ようやく
 舞台と役者が揃い、話は終局へ向かいます。

 そして、ジローの伝言を受け取ったミミコは『南の朱姫』の力を借りて単身特区に向かいます。

 彼らの行く末は――

■ 評価としては
 星5つ。これ以外付けるものは無い。

 ・・・・・・正直、この巻を読んだとき次で終わるのかと思うと寂しさを覚えてましたね。

 富士見で楽しみしているシリーズが無くなってゆく・・・・・・