BLACK BLOOD BROTHERS(1) 兄弟上陸

■ ストーリー
 1997年の香港で空前絶後の衝撃的事件が香港で起きた。

 『九龍ショック』と呼ばれたその事件は、吸血鬼の存在を初めて公式に確認した事件となった。大虐殺の事実と共に。

 やがて『香港聖戦』と呼ばれる九龍の血統《クーロン・チャイルド》と人間とそれ以外の吸血鬼との争いによるこの事態は、人間と吸血鬼の協力によって鎮静化し、協力した吸血鬼と共にその真相を闇に葬り去り、吸血鬼は滅びたと公式に発表した。

 そして今2006年日本に『特区』――正式名称『経済特別解放区』と呼ばれている場所がある。

 本来の経済特別解放区としての役割をまっとうできず、日本に見放された地。

 そこは九龍ショックによりその存在を明かされ、そして滅び去ったはず吸血鬼《ブラック・ブラッド》と人間《レッド・ブラッド》が唯一共存する場所。

 そこでオーダー・コフィン・カンパニー《通称:カンパニー》の調停員《コンプロマイザー》として働く葛城ミミコは、上司の命令で特区の外に出張していた。

 『とにかく、海岸沿いを調査しろ』

 要領を得ない上司の言葉にしぶしぶ従いながらも、久しぶりに特区の外の空気を味わって楽しんでいた。

 電車に揺られてふと海岸線に目をやると、白煙がもくもくと上がってきており、それが徐々に近づいてきている。

 異変(嫌な予感)を察知したミミコは現場に赴き、そこで吸血鬼の兄弟と邂逅する。

 それはブラック・ブラッドとレッド・ブラッドとの《血》の交わりと導きの物語の始まり。

■ 吸血鬼《ブラック・ブラッド》
 古来から血を吸う怪物として空想上の生き物として存在していた。

 真に存在することも知らず、真に存在する意味も知らず。

 彼らが表舞台に現れたとき、世界は大きな変革を迎える。

■ 血
 吸血鬼の世界で一番重んじられるもの。

 その血が古ければ古いほど、格が高い。

 また、人間からもらう血は何にも変えがたい食料となる。

 ・・・・・・何でも処女の血はおいしいらしい。

■ カンパニー
 世界で唯一、吸血鬼と人間の間を取り持つ組織。

 吸血鬼の存在を隠しながら、吸血鬼と人間の可能性を模索している。

 《諜報部》、《査察部》などの様々な部署が日々活動している。

■ 望月兄弟
 兄はひょうきんでありながら強い。しかし、吸血鬼としての弱点を多く持つ一見最弱の血族・・・・・・なのかもしれない。

 弟は明るく無邪気。兄に比べればまだまだ未熟。ただ、同じ血族にもかかわらず兄が持つような弱点は一切無い。

 しかし、彼ら二人きりの断絶血統《オーファン・ブラッド》は他の血族にない重大な秘密を持っていた。

 それはあまりに悲しく、切ない。

■ うん
 普通に面白いですよ。

 吸血鬼が持つ力や能力というのが具体化されていてわかりやすいですし、欠点とかあるのもいいポイントですね。

 兄弟の和気藹々とした様子も見ていて楽しくなりますね。

■ あとは
 人と吸血鬼の立場や事情、そのあり方を理解していくほどに親しみがもてるかと。

 ・・・・・・しかし、先を知っていると純粋な感想が書きづらいなぁ。

■ 評価として
 星4つ。まだまだ始まりです。