ラプンツェルの翼(2)

■ ストーリー
 ゲームから解放されたはずの相川奈々は再び陰湿なゲームに巻き込まれた。

 気が付けば、真っ暗な部屋で手足を鎖でつながれ、全裸でむき出しのコンクリートに寄りかかっていた。

 わけのわからぬまま足元を見ると床に矢印が書いてあった。

 それを目で辿ると、扉が一つ設置されていた。

 そこには真っ赤なペンキでこのように書き殴られていた。

 The opening of a trial (テスト開始)

 まだ、悪夢は去らない。

■ 前回よりも
 明確にゲーム化されていることで大分わかりやすくなっています。

 ただ、より残酷度も上がっている言えるかもしれません。

 死に怯えながら、誰かを犠牲にしながら、心を殺して生き延びることしか出来ないのですから。

■ それにしても
 この作品は人の考え方や意識の誘導の仕方がうまいですね。

 ミスディレクション盛り沢山で、見事に考えさせられないことに驚きました。

 まあ、それだけ私の頭が単純なんですけどね。

■ どんなに
 現実が残酷が突きつけられても、人の想いの大切さが、この作品を完全な残酷な物語にしないように踏み留めてくれています。

 変わらないと思うこと、変わりたいと思うことが彼女たちの成長に繋がっているのだと実感させてくれます。

 「よかった・・・・・・まだ涙が残ってた」

 それは何よりも人間の証。

■ 評価としては
 星5つ。いい作品を見つけたものです。この人の他作品である『扉の外』や『ツァラトゥストラへの階段』も他の書評を見る限り面白そうなので購入を決めました。

 なんか、すっかりこの人の作風に嵌っちゃいましたね。

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