雪蟷螂
- 作者: 紅玉いづき,岩城拓郎
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 文庫
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■ ストーリー
極寒の地アルヴァンスト山脈には数多くの民族が住んでいた。
中でもフェルビエ族は苛烈で熱を帯びた強い激情と戦うことが生きがいの民族であり、雪蟷螂と呼ばれ恐れられていた。
特にフェルビエ族の女性は、喰べたいと願うほどに情熱的に男性を愛することでも知られており、雪蟷螂の名を強調するものとして強い象徴の一つとなっている。
美しく・気高く・強く、まさにフェルビエの頂点に相応しい存在である族長アルテシアは、長期に渡る戦争に終止符を打つため、死人狂いと呼ばれるミルデ族の族長との婚礼に望むのだが・・・・・・
紅玉いづきの「人喰い」最後の物語。
■ 実は
私は初めてこの人の作品を読んだのですが、非常に静謐な印象を受けましたね。冷たさと熱さが同居する感覚は、読了後に非常に深い感慨を覚えさせてくれたものです。
「雪蟷螂の愛は深すぎる。それが希望でもあり、また等しく絶望でもある。彼女の恋情は・・・・・・なにかを起こすのかもしれないね」
「あなたを、喰べたい」
氷のような冷たさと、その奥深くに眠る熱さがどこまでも世界にしんしんと響いてゆきます。
■ まあ、しかし
想いを直接的な言葉にしないところはラノベらしくていいですね。小説だとしても言葉で伝えるべきでないことはあるものですね。
■ 全体的に
アルテシアが主人公のはずなのに思ったより活躍してなかったり・・・・・・う〜ん・・・・・・もう少し誇り高い戦闘民族?として華々しい戦いのシーンが欲しかったですね。
■ ただ
誤字や、前後の文章の辻褄が合わないところが沢山あったのだけが残念でしたね。校正者さんもっと頑張ってください。
■ 私としては
星4.5といったところでしょうか。アルテシアの印象が他の人比べると霞んでしまいますね。もうちょっとアルテシアが頑張ったら星5でしたね。
イラストも非常に素晴らしいのですが、何故にアルテシアの素顔が一枚無いのですか・・・・・・