ラプンツェルの翼(3)
- 作者: 土橋真二郎,植田亮
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/09/10
- メディア: 文庫
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■ ストーリー
ゲームから解放され天使の一員となった相川奈々は、研修先である『ユーロランド』で働いていた。
そのユーロランドに同好会の合宿で偶々訪れた相沢遼一は、働いている奈々の様子を見にき・・・・・・もとい、久しぶりに2人きりの時間を楽しんでいた。
2人きりの空気はギクシャクとしながらも、優しい時間を過ごしていた。
しかし、事件は唐突に起こる。
天使たちの一部がクーデターを起こし、天使たちに人間を食べずに済むために彼女たちに力を分け与えていた『姫』を攫ってしまったのだ。
さらにクーデターを起こした天使たちは姫を宝箱《チェスト》に閉じ込めてしまう。
そのチェストを開けるためにはかつての天使になるための試験《ホリーチェスト》をクリアせねばならない。
しかし、クーデター側によりホリーチェストは3人一組の試験のみに制限され、さらに危険度がマックスにされており失敗すれば死が待ち受けている。
再び死のゲームへと身を投じる遼一と奈々の運命は・・・・・・
■ 毎回思うんですが
相変わらずゲームを作るのが非常に上手いですね。
時間制限、状況の変化、連帯責任、言葉の穴、あらゆるものを使って心を絞めつけ蝕みます。
ちなみに私は初見で一つも正解がわかりませんでした。
答えを言われたら『ああ、なるほど』と毎回思わされ唸らされるばかりです。
私がやったら一つ目の問題で確実に死んでますね。
何処まで鬼なんだこのゲーム。
■ 天使と人間
今回の騒動に巻き込まれることになったユーロランドの客たちが彼女たちの戦争の道具として使われます。
人間たちを彼女たちの能力の一つであるテンプテーションで操り、天使の感覚を惑わせるための武器として。
天使たちの争いの巻き添えを喰らい、怪我をしたり死んでしまう人々。
彼女たちは人間の保護を第一に謳いながら、しかしその実人類全体でしか人間を守ろうとしていない。
天使と人間の醜い関係を浮き彫りにしているかのようです。
■ その中で
人間のために必死戦う遼一のカッコよさはピカイチですね。
天使相手にも一歩も引き下がらないその強い意志はどこから出てくるのでしょうか?
天使は言う。
「囀るな。人間ごときが」
遼一は吠える。
「ふざけるな、天使ごときが!」
遼一は自分の意思を貫くことが出来るのでしょうか。
■ 評価としては
物凄くいい所で切られたので星4.5。ほとんど当て付けの様に星を減らしたのは秘密です。
早く続きが読みたいなぁ。