勇者と探偵のゲーム
- 作者: 大樹連司,鬼頭莫宏
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/06/20
- メディア: 文庫
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■ ストーリー
これは物語なんかじゃない、絶対に。
《日本問題象徴介入改変装置》が次々に物語を生み出す街。
侵略者と密室殺人であふれかえる、狂った街。
そこで起こる出来事は、すべてが日本の問題の象徴だ。
勇者が、巨大侵略円盤を撃退すれば、防衛法が整備される。
探偵が、妊婦殺人事件を解決すれば、出生率が上昇する。
だけど、陳腐なスペクタクルにまみれたこの街で、彼女の身に起きたのは、物語とは何の関係もない、“ただの事故”だった。
真面目で、なのに妙に間抜けで、そんなところが可愛くて――。
世界でたった一人の彼女の生を、物語になどさせやしない。
・・・・・・全力であらすじ使用中。すいません。
■ う〜ん
『物語になどさせやしない』が悪い意味で体現されている感覚がどうしても拭えません。
起こること全てがどうしようもなく滑稽に見えるのです。
勇者の活躍も、探偵の推理も、そこにある違和感のあるようでない日常も、想定外の現実も。
非日常が日常とは良くある話だとは思うのですが、それを受け入れる世界に違和感を感じないのに、それを受け入れる人間たちの受け入れ方がどうにも受け入れ難い。
なんというか・・・・・・あきらめを感じるんですよね。
この世界はなるようにしかならない。何が起こってもすべてが予定調和に終わる。
この物語は何らかの変化が全くもたらされる気配が感じられないのです。
そして変化がもたらされないということは・・・・・・物語としてすでに完結してしまっている。
始まる前に全てが終わっている。
それは・・・・・・少なくとも私にとっては寂しいことです。
《日本問題象徴介入改変装置》は面白いと思いますし、話の形式も悪くないと思うんですが。
■ 恐らくは
私自身がこの作品を『無意味』だと感じているのが最大要因なのだと思います。
どうしようもなくこの作品の色が感じられない。
白黒どころか透明という色さえないと思うほどに。
受け取り方の問題(多分に私の未熟も一要因だと思われる)だとは思うのですが、この作品の主張を見出せないのです。
ここにあるのは鬱屈した心だけしかないと感じられるのです。
■ 評価としては
う〜んギブアップです。私には合わないようです。
読書メーターのコメント見てると好感触のものが多いのに・・・・・・不思議ですね。
私ももっと柔軟な思考や多角的な受け入れ方が出来るようになったらいいんですが。
誰かこれを読んだ人、よかったら意見下さい。