迷宮街クロニクル(2) 散る花の残すもの

迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫)

迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫)

 もうこれ一般小説だろと思わずにはいられない作品。

■ ストーリー
 相変わらず死と隣り合わせの街、迷宮街。

 相も変わらず高い死亡率14%という恐ろしいハイリスクと引き換えのゴールドラッシュが待っている。

 今日も様々な人間ドラマが幕を開ける。

■ 相変わらず
 誰かからの主観でこの物語は紡がれています。

 今を生きる人たちの主観が。

 わけあってこの場所を去る人の思いが。

 仲間のために必死に生きようとする人の思いが。

■ それでも
 日常は過ぎ去っていきます。

 死に逝く人は後を絶つことはありません。

 別れだけでなく新たな出会いもあります。

 世界に平等に訪れるクリスマスが迷宮街にも訪れます。

 迷宮街の人々は全てを受け入れながら進んでいきます。

■ しかし
 何も変わらないはずがありません。

 死から新たな糧を得ようとします。

 日々の鍛錬が気付かぬうちに自らを成長させています。

 新たな発見が、新たな技術が実を結び始めます。

 全ては生きるために。

■ ここまで見ると
 なんかもう手段と目的が逆転してきている気がしますね。

 お金を得るために迷宮街に来たはずなのに、今では迷宮をより深く探索し理解するために迷宮に潜っていっています。

 何が彼らにそうさせるのでしょうか? 何のために彼らは迷宮をより深く潜ろうとするのでしょうか?

 まるで見えない意思に引き込まれているかのように妄信的に奥深くを目指します。

 死者が出ようとも、恋人を失おうとも、彼らがそこに居続ける理由とは・・・・・・

■ そして
 迷宮街に新たな暗雲が立ち込めようとしています。

 新たに迷宮街に参入する人物は、新たな火種をもたらすのでしょうかそれとも・・・・・・

■ 評価としては
 星5つ。もはやライトノベルとは思うまい。ライトノベルだけど。