双竜記Ⅱ 機械じかけの竜と火焔の翼
- 作者: 安彦薫,Tomatika
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
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■ ストーリー
オルガンドを撃退したものの王都奪還には未だ遠いリュクサリアは休息も短く次の戦いへの準備を始めた。
しかし世界が動くことをやめたわけではない。
フェノメノが発現した事実は世界に驚くべきスピードで拡散し、その事実から世界は動き出したのだ。
クルドニアが。刺青を顔に入れた謎の男が。そして、オルガンドが抱える黒い牙が。
風雲急を告げる物語第2弾。
■ 今回は
オルガンド内情が見えてきます。
正確にはオルガンドというよりは『黒い牙』の内情と言った方がいいんですが。
前回終盤にマンフレートを助けるために表れたメイと呼ばれる少女が鍵を握っています。
彼女の存在意義とは? 彼女は何故マンフレートに寄り添うのか?
悲しい事実がそこにはあります。
■ しかしまあ
この作品を読んでいてつくづく思うのが、皆自分の事ばっかり考えてるなぁというところです。
国と言う組織の枠内に有りながら、国を持ち上げつつも自分の利益を最優先する。
当たり前と言えば当たり前なのですが、それが顕著に出しまくってます。
■ それ故に
客観的に見ている読者には何が最善なのか大体見えてくるのですが、そのことごとくが報われてない感じがします。
リュクサリアはヴィクトの望んでいる方向に物事を運ぶことが出来ず。
オルガンドは一番の戦力となるはずの黒い牙を上手く扱うことが出来ない。
まさに、味方が足を引っ張っているのです。
事態はダメな方へダメな方へと転がってゆきます。
■ そして
新たに登場した刺青の男とクルドニアは何をもたらすのでしょうか。
安寧か。新たなる争いか。そしてそれ以外にも――
目が離せない展開ですね。
■ 評価としては
星3.5。今回はどちらかと言うと種をばら撒いている感じがしましたので、次でどのように回収するか期待です。
それにしてもこの作品のイラストは綺麗ですね。とても好きです。