GENEZ(1)

GENEZ-1  ジーンズ (富士見ファンタジア文庫)

GENEZ-1 ジーンズ (富士見ファンタジア文庫)

 『疾走する思春期のパラベラム』もそうでしたが、この人は武器というか戦いが好きですねぇ。

■ ストーリー
 民間軍事会社と呼ばれるものがある。

 傭兵部隊の発展形と呼ばれるそれは、プライベート・ミリタリー・カンパニーと呼ばれる。通称はPMCである。

 そのPMCの一つに『グリークス』と呼ばれる会社がある。

 グリークスはGENEZジーンズ)と呼ばれる兵器を所有していた。

 GENEZとは、正式名称を獣系遺伝子制御強化外骨格。通称ジーン・スーツと呼ばれ、現場の人間が語呂のよい呼び方としてGENEZと呼ぶようになったのだ。

 そんなグリークスの実践部隊に所属している大牙謙吾は海神学園に通う高校生でありながら、GENEZを装着し戦場を渡り歩く存在となっていた。

 幼馴染の岩清水ユキナ、体を動かすことが取り得の堤彩離ルーマニア出身で関西弁で話すセルジュ・ドラグレスクと共に彼は今日も戦場を駆ける。

■ グリークス
 民間軍事会社には珍しく、利益だけでなく正義も掲げてグリークスは活動している。

 彼らは、イデオロギー、人種、民族に関係なく、アメリカや国連のように立場に縛られることも無く、自分達の意思で、ただ『人々を救うため』だけに作戦行動を取れる。

 こんな絵空事のような理想を掲げて彼らは活動している。

■ 平和の寿命
 戦争、正義が多様化し複雑化する世界。

 昔からずっと争いが絶えることはなかったが、それでも今よりはハッキリしていた。

 今では、戦争に対する利権も複雑化し、誰が何のために争っているのかさえわからない。

 それは、私たち世界と何も変わらない。ただ、危機が訪れる感覚が短く、わかり辛くなっているだけで平和なんて無いのかもしれない。

■ しかしまぁ
 なんとも言いがたいですね。

 雰囲気的には『フルメタル・パニック』に似てますが、あれとは違ったより現実に近い趣があるような気がします。

 戦争に使われる高次兵装。無くならぬ争い。代理戦争。

 この手の話題を見かけると、フィクションの中でも悲しくなってきますね。

 まるで、自分達の争いを見ているようで。

■ それはそれとして
 戦闘が、想像したよりは躍動感が足りない気がしました。

 まあ、今まで沢山の作品を見てきているだけに悪くは無いとは思うのですが、一味足りない。

 ・・・・・・ただの我儘ですかね。

■ というかアレですよ
 主人公とヒロインが危機に陥ったときに○○しなければならないという法律でもあるんですかね。

 同レーベルの『L〜フラットランドの・・・・・・〜』シリーズもそうですが、必要に駆られてとは言えねぇ・・・・・・

■ あとはまぁ
 複線がわかりやすすぎて、展開が読めてしまうのが残念でした。

 上に書いたアレもわかり安すぎて突っ込みをいれようかと考えたぐらいでしたが。

 もっとぼかして後の方にポンと出した方が面白かったかもしれません。

■ ただまぁ
 個々のキャラ作りとかはしっかり出来ているとは思うので下地は大丈夫だと思います。

 あとはアッと驚く展開があれば・・・・・

■ 評価としては
 星3.5。もう少し派手な一山があればよかったかもしれませんね。