無限のリンケージ ―デュアルナイト―
- 作者: あわむら赤光,せんむ
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/05/15
- メディア: 文庫
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■ ストーリー
今よりも遥か未来、人類が地球を脱し、宇宙に勢力圏を構築して既に六百年。
宇宙全体から見れば極狭い範囲しか支配できていないものの、九千四百億キロメートルの宙域と、三十万個の恒星系を開拓し、あり余る土地と、消費しきれないほどの資源を手に入れ、人々は争いあうこともなくなった。
そんな世界でBTR、正式名称『Battle of Triple Ring』と呼ばれるスポーツが人気となっていた。
三つのリングと呼ばれる武装を携帯して一対一で戦う血なまぐさいスポーツだ。
プレイヤーはFTR、正式名称『Fighter of Triple Ring』と呼ばれている。
そんな血生臭いスポーツの世界でロバート・キーガンと呼ばれる赤銅色の騎士がいた。
彼は剣に盾という無骨で潔い戦い方と、正々堂々とした戦い方で人気を博していた。
彼はバックアップスタッフのサクヤ・イバラやマリオ・ベックスと共にこの厳しい世界を戦ってきた。
そんな折、負けない戦い方でいい成績を収めてきたロバートにトップリーグへの昇進を掛けた重要な一戦が迫ってきたのだが・・・・・・
■ BTR
全4部リーグで構成される血生臭い、しかしそれゆえに激しく盛り上がるスポーツ。
使える武装は千差万別で、三つのリングの組み合わせでバリエーションが無限にあることも、研究者や観戦者を盛り上げる原因の一つになっている。
しかし、実態はあまりにもスポーツとは言いがたい凄惨な結果となることも多い。
『事故』が起こることに対し賭け事まで起こる始末なのだからとても清廉潔白とはいえない。
『事故』が許可されたスポーツといっても過言ではないのだから。
■ うん
アクション面で見る限りではBTRは面白そうですね。
きちんと制限というか限界があるのもいい感じですね。
単純なパワーゲーにならないところがBTRの魅力だと思います。
戦い方もリングの組み合わせを考えたり、相手に合わせて戦い方を考えたりと、普段私達(といっても私はしてません)が対人で戦うゲームでやってる感覚に見えてきます。
与えられた能力をうまく使いながら、状況に応じて戦い方を考えてる所も非常に良かったです。
■ カテゴリーが
なんか面白いことになってますが、別に間違いではありません。
いやぁ、タイムトラベルなんか無くてもこういう状況が起こり得ることが非常に面白いと思いました。
過去から見た未来の技術はまさに魔法ですが、未来から見た過去の技術は滑稽でしかないですからね。
■ それにしても
サクヤ可愛いよサクヤ。見事なツンデレです。クーデレでもあり可愛らしいですね。
ロバートと接しているときの態度がなんとも面白いですね。慌てふためくサクヤさんは素敵です。
しかしまぁロバートのサクヤに対する扱いが大胆すぎて(というかキザすぎて)正直笑えましたね。
少女マンガかよ!!みたいな感じで面白かったです。
あと姫様のアーリャのつっかかりがもっと増えればさらに盛り上がるかと思います。
アーリャとサクヤの関わりがワンポイント過ぎたのが残念です。
■ しかし
サクヤを可愛がるロバートの眼差しはどこか透明で、自分を見ていないと感じるサクヤはどうしても胸が苦しくなります。
ロバートが持つ強い矛盾、過去への後悔は彼を何処までもストイックに、それでいて彼自身を省みない。
彼が過去と向き合うとき、彼は彼のままでいられるのでしょうか。
■ 評価としては
サクヤが可愛かったので星4.5です。十分に楽しめたので次巻も楽しみにしています。
中世世界と未来SFが同時に味わえるいい作品だと思います。